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No.5 ナチュラルセラピーサロン「ボンサンテ」 服部律子さん
服部律子さん
日本アロマ環境協会(AEAJ)認定アロマセラピスト・アロマセラピーインストラクター、 AFA認定プロフェッショナルフットセラピスト、アロマフランス認定クレイテラピスト 江戸川区・葛西で、ナチュラルセラピーサロン「ボンサンテ」を運営。2008年2月末現在、妊娠7カ月半で長期休業中。
―この世界に入ったきっかけは?―

商社勤務時代はデスクワークの毎日。仕事は楽しくやりがいもありましたが、肩こりから来る頭痛と吐き気が酷く、悩まされていました。アフターファイブはダンスを愉しんでストレス発散していましたが、のめりこむにつれ、坐骨神経痛や捻挫癖に悩まされるようになってしまいました。頭痛に鎮痛剤が手放せずにいたところに体の故障。ダンスの先生から整体をご紹介いただき、初めてボディワークというものに触れます。整体を受けてみると、あんなに酷かった頭痛がうそのように和らぎました。どんどん身体の不調が和らいでいく中で、今度は私がケアする側にまわりたいと思うようになります。しかし、この小さな体で整体は難しいと思い、もっと女性的なものはないかと探し、まずはリフレクソロジーから勉強を始めました。

―赤ちゃんがやってきた―

元々、赤ちゃんや子どもが好きだったわけではありません。結婚して五年になりますが、強く妊娠を望んだこともありませんでした。それに、今私たちが生きている社会は、どんどん住みにくくなっていますよね。厳しい現実の中で新しい命を育てる自信もありませんでした。

ボンサンテイメージ

そんなある日、おなかに赤ちゃんがやってきました。とまどいもありましたが、妊娠中もセラピストとして元気に活躍している方も知っていますし、なんとかなるだろうとタカをくくっていました。

しかし、わたしの場合、悪阻がとても酷かったのです。やむなく一度いただいているご予約をお断りした時は、大変なショックでした。その時は、体調よりもご予約をお断りしたことのつらさの方が大きかったです。 徐々にご予約を減らしていければ良かったのですが、そうも言っていられないほどの悪阻で、突然長期休業をせざるを得なくなりました。

今までやっていたことを突然奪われたような状況に陥り、仕事への執着がとても強く出てしまいました。結局、妊娠五カ月半ばまでの三カ月間ほど、寝込む毎日が始まります。食べても食べなくても気持ちが悪いので、とりあえず食べては吐く、の毎日。ほんとうに産めるのかどうか不安ばかりが頭をよぎっていました。

香りが全くだめになってしまったので、精油もパスでした。 夫には感謝しています。私がサロンを休業せざるを得なくなった時、なにも言わず頷いてくれ、料理をすることも出来ない三カ月間、文句ひとつ言わずサポートしてくれました。私は今まで病気ひとつしたことがなかったので実感していませんでしたが、自分がこのような弱い状況に置かれたとき、改めて家族の有難さを感じました。

―今、体調も落ち着いて思うこと―

今となってはあのつらい悪阻の時期も、良い経験だったと思えます。セラピストの仕事というのは、どんな出来事もプラスにできますし、妊娠出産は女性にしか経験のできないこと。復帰後の取り組み方も変化するのではないかと思われます。

妊娠前は、お客様にトリートメントをすることがセラピストの仕事だと捉えていました。でも、今は視野が広がったように感じています。例えばご家族で実践できるトリートメント技術を教えること、私も子連れ、お客様も子連れという状況で一緒になにかできることもあると思います。 また、つくづく感じていることは、月に一度のメンテナンスよりも毎日のセルフケアがいかに大切かということ。これは妊娠しているか否かに関わらず、わたしたちみんなに言えることです。産みやすくするため、という意味で産前のセルフケアをしますが、それはつまり、産後の肥立ちを順調にするということにも繋がっています。

産後四カ月で仕事復帰したセラピストさんを知っています。彼女は産前のセルフケアを徹底していました。私個人としては、妊娠後は肌荒れでかゆみが酷く出てしまったので、桃の葉エキスを入れた化粧水を作り塗布しています。桃の葉エキスは私に合っているようです。

妊娠線予防には、インカオイルというホホバオイルを毎日塗布しています。塩分過多にならぬようお味噌汁を飲まないなどの工夫、三食きっちり摂ること。朝食を和食にすること。ゆったりペースでお散歩をすること。安産灸をすえること。妊娠中のマイナートラブルをできる限り自然療法でケアしようと、実験しているような状態です。出来ることからスタートするのが、無理なく続けられるセルフケアですね。

―セラピスト復帰に向けて―

復帰する気持ちはあります。でも、子どもを預けられるような環境がいつ来るのか、今の時点では全くわかりません。復帰後どの程度お客様が戻って来てくださるのかも見えない状態です。

特にボンサンテのある葛西という地域は、賃貸マンションに住む若い夫婦が多いのが現状。つまり、妊娠子育てでサロンを休業する期間に、多くの方がこの地域を離れる可能性も大きいのです。2〜3カ月の休業の場合は戻ってきてくださる可能性もありますが、一年単位の休業となると、ゼロからのスタートになると思います。

不安がないといえば嘘になりますが、今考えても答えの出ることではありません。それに、本格始動するとき、わたしの気持ちが今までとは違う方向に向いている可能性もあります。
ボンサンテイメージ 今まで地域との係わり合いをほとんどしてきませんでしたが、妊娠した今、検診に行けば地域のお母さんたちがいて、自治体主催のイベントなどもあり、徐々に地域との関わり合いが増えています。

こういう経験からも、セラピストとして、子どもとご家族の関係性をスムーズにするお手伝いもできるのではと思い始めています。

世の中で起きている様々な問題は、元をたどれば幼少時の家族関係や愛情問題ということが少なくありません。「世の中を変える」といった大げさなことではなくて、触れ合いの部分でセラピストが出来ることがあると思います。
私自身も復帰に向けて、なるべく子どもの小さい時期に手をかけてあげて、安心感の根っこを作ってあげたいですね。
人生の中で転機はいくつもあると思います。その中のひとつが結婚であり妊娠。だから今私の身に起きていることは特別なことではないのだと、最近になって思えるようになりました。

どんな転機であれ、最終的に決断を下し腑に落とすのは自分。決断、決定は容易なことではありませんが、人生における貴重な経験です。 私が経験したことをベースにして、少しでも助けになる人がいれば嬉しく思います。まずは元気な赤ちゃんを生むことですね。