

LEDセラピー、催眠フェイシャル、DNAリペア、アーユルヴェーダマッサージ…。熾烈化するスパ競争に勝ち抜くために、どのスパも個性溢れる新メニューの導入に必死だ。他のスパにはない新トリートメントの導入で、PRを通じて話題を作り、差別化を図って誘客するという手段は、スパマーケティングの一つ。
しかし一方で、「メニューの多様化は、スパ運営にとって本当にプラスなのか?」という疑問が沸いてくる。つまり、単にトリートメントの幅を広げるのではなく、逆に、余計なものは省く「スリムダウン・アプローチ」が見直されてきているようだ。
新しいトリートメントを導入する際のネガティブな側面を見てみよう。まずは、新メニュー導入のリサーチやプロセス作成に時間がかかる。また、スタッフのトレーニングにもコストと時間が必要だ。そして、新トリートメント施術に関わる商材や機器が必要になる。エステシャンが推奨販売するための商品在庫もそろえなければならない。機材にはもちろんメンテナンスも必要だし、機材導入に応じて、スパスペース拡大も考えなくてはいけない。一方、メニューの作り直しやウェブの更新、プロモーションやPR作業にも時間やコストがかかる。電話によるトリートメントの詳細説明などお客様とのコミュニケーションやフォローアップ、クレーム対応も必要になってくる。
新導入したトリートメントが、自分のお店にどれ位の価値をもたらしているのか?」を再考慮することが大切だ、とスパコンサルタントのペギー・ボーグマンさんはコメントする。
◆新メニューがどれ位、スパの儲けに反映しているのか?
◆メニューの複雑化が、顧客を困惑させていないか?
◆本当に売れ筋のメニューは何なのか?アロマテラピーフェイシャルや指圧マッサージなど、ベーシックなものではないか?
こういう問いかけをしてみることにより、新メニューの価値、必要性が整理されてくる、とペギーさんは言う。つまり、「新トリートメント=売上増大=スパ繁盛」という図式が必ずしも設立しないケースも多い、ということだ。
スパで扱うプロダクトラインのスリム化も一考の価値がある。何十種もの異なるブランドアイテムを扱うことで、在庫管理や帳簿管理に時間やコストがかかることは言うまでもない。本当に効果の出せる数種類のブランドに絞ることで、小売フロアもシンプル化し、顧客にもメッセージが伝わりやすくなるケースもありそうだ。また「スパオリジナル商品ラインを作ることが理想的」という声も聞かれる。スパブランド醸成にも一助し、売上げに対する利幅も大きいからであり、最近では、スパオリジナルのサプリ、コスメ、グッズなどを販売しているスパも少なくない。
「何を追加するのか?」ではなく、「何を省いていけるのか?」というスリムダウン・アプローチ。トレンドを追うだけではなく、本質を追求することが、収益性の高いスパ運営への近道なのかもしれない。
(文/吉藤美智子, michiko@japaneedsny.com )

